本研究会は、公益社団法人日本心理学会の研究会制度のもと、ジェンダー問題に関心を持つ 研究者や実践家により、2002年に結成されました。当初は、心理学界における女性研究者への差別を撤廃することが目的でありました。現在は、当初の延長線上にある活動として、ジェンダーに関する研究を行ったり、心理臨床などの実践的活動に携わったりする方たちの交流の場となっています。会員数は、約50名です。

「社会的・文化的に作られた性」を意味するジェンダーという用語は、一般にも用いられる ようになりつつありますが、この研究会が結成されたことにより、心理学のジェンダー研究の発展にはずみがつきました。たとえば、日本心理学会の大会では、ジェンダー部門が開設されたことにより、それまでは別々の部門で発表されていた研究が一堂に会すことが可能になり、研究交流を活発にすることができるようになりました。また、ジェンダー研究会の企画するシンポジウムやワークショップでは、ジェンダー研究会に所属する者だけではなく、それぞれのテーマに応じた専門家にもお話しいただき、討論を行うことによって、ジェンダー研究のすそ野を広げてきました。さらには、交流が活発になったことにより、共同研究や共同執筆も行われるようになり、そのいくつかの成果は専門書や翻訳書の出版に示されています。また昨今では、ジェンダーに関する課題をどのように授業で取り上げて伝えるか、といった教育活動に関する議論も行われるようになりました。(詳細は「活動報告」や「研究情報」などをご覧ください)

ジェンダーに少しでも興味や関心のある方は、当研究会にぜひお問い合わせください。もし くは、当研究会が企画するシンポジウムやワークショップにぜひお立ち寄りください。ジェンダーはありとあらゆる場面に浸透しています。さまざまな考え方を持つ方たちと交流することによって、新たなジェンダー研究や実践が展開していくと考えられます。皆様と意見交流ができることを楽しみにしております。

                                                                                                                 ジェンダー研究会代表

                                                                                                               滑田明暢